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「オトメイト系」
ワンドオブフォーチュン

Kiss me again(ワンドEnd後、ユリルル)

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 綺麗な顔、と間近にあるユリウスの顔を見てそう思う。
 深い紫の瞳を縁取る長いまつげが、ゆっくり閉じられる。背の高いユリウスが、ちょっと体をかがめるようにして私にさらに顔を近づけて・・・・・・・


「~~~~~~~~っ、や、やっぱり無理―――――――!!!」


 近づいてきたのを見て、どうにも耐え切れなくなってしまい、またまた私は思いっきりユリウスを突き飛ばしてしまった。
 これで3回目。
 ユリウスといい雰囲気になって、キスしそうになって・・・・・・その度に、どうしても拒んでしまうのは、今回で3回目になる。
 一番最初の時のように、いきなり突き飛ばされたことに驚いたユリウスがバランスを崩して後ろに倒れこんでしまう・・・・・・なんてことはなかったけれど、大人しく顔を離したユリウスはとても悲しそうな顔をしていて、胸がズキッと痛んだ。そんな顔をさせたいわけじゃないのに。

「・・・・・・・ユリウス、そのっ・・・・・・・・ごめん、なさい」
「ううん、いいんだ。ルルに無理をさせるつもりはないし。ただ、ちょっと・・・・・・凹んでるっていうか・・・・・・俺こそごめん、勝手なことばっかり言って」
「そんなことない!!あの、ユリウスは何も悪くないから・・・・・・私がちょっと、子供すぎるっていうか・・・・・・・・・ごめんね」

 情けなくて、ちょっとだけ泣きたくなった。
 ユリウスのことが嫌いとか、キスがしたくないとか、そういうわけじゃない。
 言ってしまえば理由は簡単、恥ずかしいっていう、ただそれだけ。
 初恋もしたことのない私にとって、ユリウスと付き合うことは何もかもが新しくてよくわからないことばかりで。がんばっていこう、とは思っているけれど、時々いっぱいいっぱいになって、わけがわからなくなって、ついつい変な行動ばかり取ってしまう。
 魔法を習い始めたばかりの頃も失敗ばかりだったけれど、恋愛に関しても私は失敗ばかりしてしまう。

 いつ、ユリウスに愛想を尽かされてしまうかと怖くなるくらい、カッコ悪い失敗ばかりしか私はしていない。

「・・・・・・・・・」
「ルル?どうしたの?」

 ぎゅっと唇をかんで俯くと、心配したようなユリウスの声。こんな時だって、ユリウスは優しい。いつも私のことを心配してくれる。キスひとつ返せない私に、好きだと言ってくれる。

 私だって、ユリウスにちゃんと気持ちを返したい。
 ユリウスにだって負けないくらい、大好きだって気持ちを伝えたい。

 それなのにいつも、全然うまくいかない。好きだって言おうとすると、一気に顔が熱くなって頭がぐるぐるして、結局うまく言葉が言えなくなってしまう。
 キスされそうになると、心臓が壊れるんじゃないかと思うほどドキドキする。ユリウスのことしか目に入らなくなって、それが死んでしまいそうなほどに嬉しくて・・・・・・そこで急に恥ずかしくなる。ユリウスの顔をしっかり見ていられなくなって、息苦しくなって・・・・・・いつもそこで立ち止まってしまう。

 初めてキスを拒んでしまった時、私は何とかそんな気持ちをユリウスに説明した。
 下手くそな説明だったにも関わらず、ユリウスは最後までちゃんと聞いてくれて、そして笑って頭をなでてくれた。


『ルルが俺のこと嫌いになったとかじゃないんなら、よかった。焦らないでいいよ。ルルが大丈夫になったら、キスさせて』


 そう言ってくれたのに、私は何ひとつ返すことができない。
 自分が情けなくて・・・・・・もどかしい。応えたいのに、うまくできない。

「・・・・・・・・・っう・・・・・・・・」
「る、ルル!?どこか痛いの?それとも怖かったりした?ごめん、本当にごめん!!焦らないでいいとか言って、俺、全然君のこと気遣えてない・・・・・・・ごめん、泣かないで。もうしばらくキスしようなんてしない、君が怖がるようなことしないから・・・・・・」

 情けなくて、泣くつもりもないのに涙が勝手に零れ落ちる。
 困らせてる、泣き止まなくちゃと思うのに、なかなか涙は止まってくれなくて、今度は嗚咽まで込み上げてきた。滲んだ視界の向こうで、オロオロと慌てているユリウスの姿が見える。
 ・・・・・・・どうして私は、いつもユリウスを困らせることしかできないんだろう。

「・・・・・・・・ちがっ・・・・ご、ごめんなさ、い・・・・・・・わたし、いやになるくらい、こ、子供で・・・・・ゆ、ユリウスの、こと、だ、って・・・・す、好きなのに・・・・・」
「・・・・・・・ルル」
「ほ、本当は・・・・・・ちゃんと、き、キスだって、し、したいとおも・・・・・思ってるのに・・・・・・全然、う、うまくいかなくて・・・・・・・なんでっ・・・・・」
「ルル」

 不意に真剣な声で名前を呼ばれる。
 顔を上げた途端、目の前が暗くなる。大きくて優しい温もりが私の目元を覆うのと同時に、そっと抱き寄せられるのを感じた。


「ゆりう・・・・・・・・んっ!?」


 それがなんだか、一瞬わからなかった。
 感じたのは唇に触れた柔らかくて温かい感触。微かに震えて、壊れ物に触れるかのような慎重さで少しだけ触れ、離れて、そしてもう一度、今度は少しだけ長めにまた触れる。

 やがてそれが離れるのと同時に、視界に光が戻ってくる。
 目の前には、顔を少し赤くしたユリウス。
 私はその場に硬直したまま、ぽかんと彼の顔を見つめているしかできない。驚きのあまり、涙は引込んでしまっていた。



「・・・・・・・・ユリウス、今の、って・・・・・・・」
「・・・・・・・・ごめん。俺、やっぱり自分勝手だ」



 我慢できなかった、とようやく聞き取れるほどの声で彼が呟いた瞬間、私はようやく先ほどのアレが何かを理解した。
 一気に顔に熱が集中する。全力疾走した直後のように胸がドキドキする。何かを言おうとして、けれど何を言えばいいかわからなくて、結局あーとかうーとか意味のわからない言葉だけが口から零れる。

「えっと・・・・・・その、やっぱり、嫌・・・・・・だった?」

 挙動不審な私に勘違いしたのか、ユリウスが心配そうに尋ねてくる。その瞳はひどく不安そうで、今にも置いていかれそうな迷子の子供みたいに頼りなく見えた。

「嫌じゃないわ!!」

 そう、嫌なんかじゃない。嫌がれるわけがない、好きな人にこんな顔をされて。
 ホッとしたように笑ってみせるユリウスが、やっぱり好きだなあと思う。なんでもしてあげたいと思ってしまうくらいに。


 ・・・・・・・ユリウスとなら、何も怖くない。


「・・・・・・・・あの、ね。ユリウス」


 怖がる必要はないんだと言い聞かせる。
 恥ずかしいのは変わらないけど、でもこれでユリウスが笑ってくれるなら、私はちゃんとやってみせなくちゃ!!


「もう一度、キスして」


 今度は私から、受け入れるから。





End.
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