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「QuinRose」
アリスシリーズ(パラレル設定)

ざ・ねばーらんど(なんちゃって御伽話、メアアリ)

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 昔々・・・・・で始まらない物語もある。


「げほごほっ・・・・ううう・・・・・・・・き、きもちわるい・・・・・・」
「またあ!?」

 緑色の服をところどころ赤く染めて咳き込む男と、その横で呆れたような溜息をつく妖精。
 彼らは童話の中ではそれなりに有名な存在です。一応・・・・・・・そうは見えなくとも。

「いい加減に病院行きなさいよ!!ネバーランドとは言え、大人がいないわけじゃないんだから。そりゃあ、ちょっと遠い上に海を通るから海賊あたりに見つかると面倒かもしれないけど、あんた空飛べるんだから簡単でしょ。ちょちょいと行って、さくっと入院してきなさいよ」
「いーやーだ!!病院なんか行かない、絶対に行かないぞ!?怖い!!注射は痛いし、薬は苦いし、入院は死ぬほど退屈だ。いいことなんか何もないじゃないか」

 言い争う二人を遠巻きにした子供達が生温かく見守ります。

 ここはネバーランド。大人に見つけられないまま育った「永遠の子供達」が生きる場所です。

 彼らのリーダー的存在である青年・ナイトメアとその傍に常に寄り添う妖精・アリスは、ネバーランドを代表する有名人・・・・・・・その心躍らせるような冒険の数々は、現実の子供達の憧れとなっています。
 ・・・・・・・・現実は残酷なもので、そのヒーローこそ、森の中で妖精を相手に「病院なんていかない!」とダダをこねまくっている青年その人なのですが。

「いいことならあるわよ?その体調が改善されれば、子供がも~~~っと憧れるようになるでしょうね。少なくとも、夢をぶち壊しにはしないだろうし」
「私がいつ子供達の夢をぶち壊したんだ。私は何をせずともカッコいいからいいんだ!!」
「吐血しながら空を飛んでいるヒーローなんて、悪夢以外の何者でもないわよ。」

 確かに名前は「悪夢」ですが、そこに悪夢を体言する必要性は絶対にないと言い切れます。
 どこから取り出したのか、いつの間に現れた毛布で体をぐるぐる巻きにしているナイトメアを前に、アリスは小さな肩を落として特大の溜息をつきました。

(見た目は青年ってくらいの年なのに、中身がひたすら子供だからかしらね・・・・・・・子供のヒーローなんて呼ばれるの。病弱なくせに病院嫌いで行きたくないとかダダをこねるし、カッコつけで見栄っ張りで構ってあげないとすぐにいじけるし、大人なんて嫌いだとか言ってるわりには大人っぽいものに憧れて手を出して体調悪化させてるし・・・・・・・ダメダメヒーローすぎるわ・・・・・)
「・・・・・・・・・ひどいぞ、アリス」
「思考を勝手に読まないでくれる?」
「読んだわけじゃない、勝手に聞こえてくるんだ!!君たち妖精の声は小さくてたまに聞き取れないほどなのに、心の声はやたらとでかいからな。よおおおおおおおおおおく聞こえてしまうんだ!!」

 ナイトメアにはいろいろな能力がありました。
 空を飛ぶ力、心を読む力、ネバーランドと現実の境を自由に行き来する力・・・・・・・単品で上げていけばどれもそれなりにすごい力なのですが、それを持っていても「すごい!」と思えないのは、アリスがナイトメアの性格を知りすぎているせいでしょうか。

 彼とアリスは常に一緒にいます。アリスが生まれるより前に、彼はそこに存在していました。
 どれだけの長い時間をナイトメアが子供のまま生きているのか、アリスは知りません。ネバーランドは永遠の子供だけが生きられる世界。そこにいる人々は見た目が大人であっても、どこかしらが子供のままなのです。
 ナイトメアと敵対する大人だらけの海賊団は、また違った存在ではありますが。

(でもいくら子供とは言え、さすがにヒーローには向いてないと思うのよね・・・・・・・物語の主人公にはなれないタイプじゃないかしら。わりと引きこもりだし、ケンカ弱いし、少なくとも剣を持って戦うタイプじゃないっていうか・・・・・・・・)
「だから聞こえているぞ~~~アリス、君は相変わらずひどい妖精だな。人が気にしていることをズケズケと・・・・・・・・・・」
「へえ、気にしてたの?だったらちょっとは直したら?病院行くとか、薬飲むとか、入院するとか、少しは努力を覚えて欲しいわね。」
「ううう・・・・・・・・・ひどい・・・・・・・また気分が・・・・・・・」

 青白い顔をさらに白くするナイトメアに何度目かの溜息をつき、アリスはその華奢な背中を撫でてやります。
 ナイトメアがダダをこねて吐血して、アリスが呆れつつも世話を焼く。ネバーランドではすでに日常となった光景を見て、子供達は平和だねと笑いあいます。
 密かに『ナイトメアのお母さん』と呼ばれていることも知らず、アリスは今日もナイトメアの世話をするのでした。



「・・・・・・ねえ、ナイトメア。やっぱり影を探してきたほうがいいんじゃない?」
「うん?まあ、そうしたいのは山々なんだが・・・・・・・・・」
「?まだ見つかってないの?私も探すの手伝った方がいい?」

 ちょこんとナイトメアの肩に腰かけ、アリスは首を傾げます。
 実はナイトメアは数日前に自分の影をうっかり現実世界で失くしてしまったのです。
 影は自分の分身であると同時に、存在の証明でもあります。分裂したままでいるのはあまりよくないことなのですが、ナイトメアは大して焦った様子もなくネバーランドに引きこもったまま、探しに行こうとしません。

「いや。影がある場所は予想がついている。3人の子供がいる部屋の洋服ダンスに多分隠れていると思うんだが・・・・・・・体調があまり優れないし、面倒くさいから別にこのままでもいいかと思いはじめて・・・・・・」
今すぐ取り戻してきなさい。体調悪いって言うなら、先に病院行って体力回復してもらってから取りにいけばいいわ」
「だから病院は嫌だと言ってるだろう!!」
「じゃあ今すぐ影を取り戻しに行くわよ!!ここのところずううううううううううううっと吐血して貧血と眩暈にうなされているっていうのに、面倒くさいとは何よ、面倒くさいとは!!行かないっていうなら無理やり引きずっていくわよ!!?」

 ただでさえ病弱なナイトメアが、影を失くしたことで余計に体調悪化を起こしているのも事実です。
 ゼロに近い体力値がさらに半減させられている状況なのに、アリスには放っておくわけにもいきません。ナイトメアに倒れられても困ります。


(倒れるだけならまだしも・・・・・・・・死んだらどうするつもりなのよ)


 心配するアリスの気持ちは聞こえているくせに、ナイトメアはいつも平気そうな顔をします。困ったような表情の中に、でもどこか嬉しさを滲ませて、「大丈夫だよ」と微笑むのです。
 ほら、今だってナイトメアはその表情。
 そっとアリスの小さな頬を指先で撫でて、そして次の言葉はいつだって同じ。

「大丈夫、私は死んだりしないよ、アリス」
「いつも死にそうな顔色のくせに、何言ってるのよ・・・・・・・・!!」
「それでも死なない。大丈夫だよ。私はここにいるよ、アリス、君の隣に」

 ぐっと唇を噛み、アリスはふいと顔を背けました。
 こういう時のナイトメアは、苦手でした。普段は実に子供っぽいのに、ふとした瞬間にひどく老成した笑みや言葉を向けるナイトメアが、とても・・・・・・・・遠く感じてしまいます。


「・・・・・・・変わらないものなんて、ないわ。このネバーランドだって、変化はある。大人になってしまえば、もうここにはいられない。死んでしまっても、ここにはいられない」
「そうかもしれないね。だけど、変わらないものが集う場所こそが、ネバーランドだ。だから私は、変わらないよ。変わることができない、とでも言おうか。ネバーランドを象徴する私に、変化などあるはずもないだろう?」


 そっとアリスは腕を伸ばし、その青白い頬に触れました。
 冷たいけれど、微かに温かい感触。それは、彼が確かに生きている証でもあります。


「そう、変わらない。君への気持ちも・・・・・・・なにもかも。決して、変わらないよ」
「?ナイトメア?」
「いや・・・・・・・・・わからなくていいよ。わかってしまえば、君は変わってしまうからね。私も変わってしまう。変わるのはルール違反だ。わからなくていい・・・・・・・・このままで、いいんだ」


 壊れ物を扱うかのように優しく落とされた口付けを、アリスは素直に受け入れます。
 いつからか、ナイトメアはそうやってアリスにキスをするようになりました。その意味を、アリスは知りません。知りたいとも思いません。

 『  』など、知ったら終わりだと、知っているから。


「・・・・・・・・・で?結局、いつ影を取りに行くのよ?」
「うう、面倒くさい・・・・・・・・」
「ナイトメア!!」


 変化を拒む世界で、変わらない関係のまま。
 ヒロインと出会うことも先延ばしにされたまま、いつまでも始まらない物語があります。

 この物語の始まりは・・・・・・・・・ずっとずっと、先の話。





おしまい
 
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