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「オトメイト系」
ワンドオブフォーチュン

綱渡り舞踏曲(ワンド、アルル)

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「やあ、ルルちゃん。こんなところでどうしたの?」

 今、一番聞きたくない人の声がして、ルルはびくりと体を震わせた。
 恐る恐る振り返ると、そこには夕焼け空にも鮮やかなミントグリーンの髪。相変わらずの親しみやすい笑顔で、アルバロがこちらを見つめていた。
 甘いお菓子と同じ、紅色の瞳に何もかもを見透かされそうで、ルルはふいっと顔を逸らした。今は顔を・・・・・・特にアルバロには見られたくない。きっと、ひどい顔をしているに決まっている。

「・・・・・・何でもない」
「そ?じゃあさ、寮まで一緒に帰らない?」
「え?」

 思わず顔をあげた途端、思っていた以上にアルバロが近くにいて反射的に後ずさる。いつの間に距離を詰めたのか、全くわからない。
 当たり前のように手を繋ぎ、「いこ」と軽く手を引くその姿に目を瞬かせる。
 先ほど目にしたばかりの光景が鮮やかに蘇り、ルルは思わず問いかけていた。


「・・・・・・あの人は、いいの?」
「あの人って?」
「!?な、なんでもないのっ!!」


 慌ててぶんぶんっと顔を横に振るけれど、アルバロの表情は変わらない。楽しそうな・・・・・・何かをからかって遊んでいるような、そんな笑み。

(私に向けられるのは、そんな顔ばかり)

 そう思うと、少しだけ悲しくなってしまった。
 別の、もっと優しそうな笑顔で他の人には話しかけるくせに、ルルと話す時はいつもどこか少し意地悪な笑みを浮かべるのだ。アルバロは・・・・・・笑顔の種類がわかりにくいけど、それくらいの差だったらルルにも見分けがつくようになってきた。
 ほんの偶然、つい先ほど覗き見てしまった光景がまた頭に浮かぶ。

 夕暮れ時、生徒もほとんどいなくなった廊下の片隅で、寄り添うくらいの近くで何かを話しているアルバロと綺麗な女生徒。
 ルルよりもずっと大人っぽくて、スタイルもよくて、時折浮かべる微笑が思わず見惚れるくらいに綺麗な人。派手でミステリアスなアルバロの隣に立っていても、決して違和感がないほどに目を引くほどの存在感があって・・・・・・二人はまるで、映画の中に出てくるカップルみたいにお似合いだった。
 その人に、アルバロは優しい表情で何かを話しかけていた。彼女も、綺麗な笑顔でそれに言葉を返していた。


 綺麗だとも、お似合いだとも思ったはずなのに。
 気がつけば、ルルはその場から逃げるように走り去っていた。
 見ていたくなかった。ひどく胸が痛くて、悲しい気持ちでいっぱいになった。なんだかよくわからないまま、頭がぐちゃぐちゃで、ひたすら思ったのは。


 今アルバロに会いたくないと、それだけだった。

「・・・・・・ふうん、見てたんだ?」
「えっ、な、なんで!?」
「あ、図星?勘で言ってみただけなんだけど。さて、ルルちゃんは俺の何を見たのかな?そうだなあ・・・・・・俺が他の子と仲良くしゃべってるところを目撃した、とか」
「っ、ち、違うもん!!」
「ふふ、相変わらず可愛い反応返すね。そんなに顔を赤くしながら言ったところで、嘘ついてるのがバレバレだよ?」
「嘘なんかついてないわっ!!あ、アルバロには絶対絶対教えてあげないっ!!」

 繋がれた手を離そうとしながら、必死でそんな風に言い訳をしてみるが、アルバロの表情は変わらない。相変わらず、小動物をいじめるのに似た無邪気さを含んだ、楽しそうで意地悪な笑み。
 そんなに強く握られていないはずなのに、どれだけ抵抗したところでアルバロの手は離れてくれない。
 髪と同じ色に染まった爪先が、ルルの反応を楽しむようにもがく掌を軽く引っかいてくる。


「なんだ、残念。てっきり、ルルちゃんが嫉妬してくれたのかと思ったのに」


 いつものような軽口の中に含まれた単語に、ルルの思考が止まる。
 嫉妬、という言葉がやたらと頭の中に響いて、けれどどこかにしっくりと収まるような、そんな感覚を覚えた。
 ・・・・・・それと同時に、一気に顔に熱が昇った。

「ち、違っ・・・・・・・!!」
「違うの?ルルちゃんが嫉妬してくれたのなら、俺としては嬉しいのに。意識してくれてるってことだし」
「し、嫉妬とかそういうのじゃなくて・・・・・・・ああもうっ、アルバロ、いい加減に手を離してよ~~~!!!」
「ダメだよ。ルルちゃんがちゃんと教えてくれるまで、離してあげないよ」
「~~~~~~っ、やっぱりアルバロは意地悪だ!!!」

 ぶんぶんと繋がれたままの手を振り回しながら、ルルはもっと夕日が赤ければいいのにと真剣に祈った。・・・・・・こんなに顔が熱いのだから、きっと夕日より赤い色になってしまっているのがバレバレだ。
 もし夕日が今より赤かったとしても、多分いつも以上に楽しげなアルバロには、すぐ見抜かれてしまうのだろうけれど。





 寮についてルルと別れた後、アルバロはひとり笑みを零す。
 これまでの観察からして、てっきり「そっか、これはヤキモチだったのね!!スッキリしたわ、アルバロありがとう!!」なんて無邪気に喜ばれるかもしれないなんて思ったけれど。
 予想以上に彼女も随分と精神的に成長してきているみたいだ。

(ああ、でもちょっと罪悪感を感じるかもね・・・・・・さすがに)

 いつか切り捨てる相手と知っていても、ただの面白い遊び道具の一つに過ぎないとしても。やはり、多少の情が芽生えたら、少しだけ躊躇ってしまう。
 懐かれるほどに、好意を向けられるほどに。それを壊す瞬間が愉しみでもあり、同時に少しだけ胸が痛む。

 だから・・・・・・ああやってルルの自分に対する気持ちを実感するのが、最近はちょっとばかり複雑かもしれない。

 ルルが自分を想っていると知る度に・・・・・・嬉しいような、くすぐったいような気持ちが生まれかけることを自覚してしまいそうになるから。
 後戻りできないところでくるくる踊っているような感覚。間違えてしまったとわかっているのに、もう踊りを止められなくて、あとは二人で落ちる瞬間を待っている。


「・・・・・・本当に、馬鹿なヤツだよ」


 それが誰に向けた言葉か、アルバロにもわからない。





終わり
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